COVID-19感染の疑いまたは感染確認された小児患者への対応上の注意点

COVID‑19 情報 & リソース

Last Updated: 16 November 2020, 10.22AM (NZDT)

この情報リソースは、COVID-19感染の疑いまたは感染確認された新生児、乳幼児と小児の治療管理について、医療従事者を支援するためにまとめられたものです。この情報は各病院の方針の推奨事項または要件に代わるものではありません。

このリソースでは、世界保健機関(WHO)のガイドラインに言及しています1。このリソースに記載されるリンクよりWHOの最新情報にアクセスしてください。

新生児、乳幼児と小児について、COVID-19感染の疫学的パターンと臨床パターンは不明なままです。

  • 新生児集団では、いくつかの研究から、出生時のCOVID-19の垂直感染リスクの可能性は低く、COVID-19陽性の母親から生まれた場合であっても出生時に新生児が感染するリスクは低いことが分かっています2-5
  • COVID-19感染が疑われる小児患者2,143例を対象とした研究において6、以下の通り報告されました。
    • 小児患者の94%が無症候性、軽症または中等症と診断されました。
    • 成人患者の18.5%に対して、小児患者の5.9%が重症または重篤と診断されました。この研究では、14歳の1例の死亡が報告されました。
  • ヨーロッパ7および米国8で公表されたその後の研究は、中国からのこの初期のデータを裏付けるものでした。
    • COVID-19の全症例の割合は小児では少ないです(米国人口の22%が小児で構成されているにも関わらず、米国のデータでは小児の感染割合は1.7%、イタリアのデータでは1.2%)。
    • 重症または重篤と診断された小児患者はわずかであり、米国のデータでは小児集中治療室(PICU)に収容されたのはわずか2%です。
    • 米国のデータでは3例の死亡のみ(小児患者の0.2%未満)が報告され、イタリアの研究では小児での死亡は報告されませんでした。

ほとんどの小児症例で、治療決定を変えるべきであることを示唆するエビデンスはありません。治療法は患者の基礎生理学的症状および臨床症状と共に現在のエビデンスに基づく呼吸管理に従う必要があります。

COVID-19感染を背景とした小児の呼吸管理


COVID-19感染症により呼吸補助を必要とする患者はウイルス量が高く、医療従事者と他の患者に潜在的な感染リスクをもたらします。COVID-19感染症に感染または感染が疑われる全ての患者は、適切な隔離や個人防護具(PPE)といった予防策で対応しなければなりません。病院の方針やWHOのガイドラインをご参照ください。 

WHOは、気管内挿管をエアロゾル生成の手技として定義していることから、気管内挿管を空間環境感染防止対策を行う対象としています1。さらに、エアロゾル化の可能性は不確実性のため、バブルCPAPを含むネーザルハイフロー(NHF)と非侵襲的換気法(NIV)の使用時は、空間環境感染防止対策を行うことを推奨しています。非侵襲的療法によってもたらされるリスクの大きさについて、大声での会話(泣き叫び)9や咳、および「高リスク」なエアロゾル生成可能性があるとされている挿管によってもたらされるリスクを評価する必要があります10。しかし、手段にかかわらず、詳細な安全性評価が完了するまでは、呼吸補助を受けている感染疑いのある全ての患者に対して注意を払う措置を取ることが推奨されています。

ネーザルハイフロー(NHF)

WHOのガイドラインでは、鼻カニューレまたはプロングによる酸素療法は忍容度がより高いため、小児に対する酸素供給方法として好ましく、また低酸素血症性呼吸不全の特定の患者には、NHFの使用を検討すべきであることを示唆しています。NHFを受けている全ての患者は、臨床的悪化について細やかなモニタリングが必要です1

今回のパンデミック期にNHFを介して供給される流量の低減を検討する医療機関は、治療効果に悪影響を及ぼす可能性があることに注意してください。現在、流量の低減が医療従事者に対するリスクを削減することを示唆する証拠はありません。適切な隔離と空中に浮遊したウイルスを吸い込まないために個人防護具といった予防策による対応は(流量にかかわらず)推奨されています。この対策を講じることにより、治療効果を最大化するため、適切な流量を供給することが推奨されます。

エアロゾルの分散に関するデータは、ネーザルハイフロー療法COVID-19情報をご参照ください。 

Fisher & Paykel(F&P)Healthcare製の小児用ネーザルハイフロー製品#

  • Optiflow™ Junior、Optiflow Junior 2、ネーザルハイフローインターフェース、F&P製の高流量回路と関連する付属品は単一患者専用です。

CPAP

機械的人工換気を使用できない状況において、バブルCPAPは重症低酸素血症を呈する患者に使用でき、より容易に提供できる可能性があると、WHOのガイドラインでは提言されています1

呼吸補助を(COVID-19感染以外の理由で)必要とする新生児の現行の標準治療がバブルCPAPである医療機関では、大部分の新生児患者について臨床業務を変えることは現在推奨されません。

バブルCPAP供給システムを用いる場合、ガスとエアロゾルがリークする可能性のある2つの主な箇所があります。患者とマスク/プロングの間(患者側のリーク)、バブルCPAPジェネレータからの空気排出口(意図的なリーク)。

  • バブルCPAP療法はエアロゾル生成の可能性があるものとして扱い、適切なPPEを使用する必要があります。
  • 適切なサイズでフィットするマスク/プロングを使用して、患者側のリークを減らす必要があります。 
  • 呼気をフィルターに通そうとする場合、治療効果に関するフィルターの影響を考慮する必要があります11
F&P Healthcare製の乳幼児用CPAP製品#
  • F&PバブルCPAPジェネレータ、F&P FlexiTrunk™鼻インターフェース、F&P乳幼児用CPAP回路とすべての関連する付属品は単一患者専用です。
  • F&P製のバブルCPAPジェネレータは常に患者よりも低い位置に設置されているようにしてください。
  • バブルCPAPシステムの呼気回路のどの場所にもフィルターを取り付けることは推奨しません。フィルターを未承認または暫定的方法で使用するにあたっては細心の注意を払ってください。医療従事者が考慮すべき重要な安全性要因の例として、流動抵抗、様々な状況下でのフィルター効率、解剖学的死腔量、システム全体の流動性、ガストラップの可能性が掲げられています。大気開放されるバブルCPAPシステムにフィルターを取り付ける場合は、バブルCPAPジェネレータが密閉されるように設計されていないため、排出される呼気すべてがフィルターを通るものではない点に注意してください。
  • 人工呼吸器で稼働するCPAP回路にフィルターを取り付ける場合は、人工呼吸器の製造業者に問い合わせてください。フィルターとF&P製人工呼吸器回路の併用に関するお問い合わせは、F&P Healthcare製フィルターのウイルスおよび細菌ろ過効率とF&P Evaqua™ 2回路をご参照ください。

侵襲的換気

侵襲的換気が必要な場合、侵襲的な呼吸補助を行う間は、加温加湿されたガスを供給することが広く推奨され、実践されています15

F&P Healthcare製の乳幼児用侵襲的換気加湿回路#

  • F&P製の乳幼児用侵襲的換気回路は単一患者専用です。

  • 呼気フィルターが備わっておらず、大気開放される小児/新生児用人工呼吸器の場合、使い捨てのフィルターを使用することができます。
    • しっかりと接続しやすく、隙間を最小限に抑え、人工呼吸器の性能を最適化するために、フィルターに15 mmの接続部があることを確認してください。
    • 当局の承認を得たフィルターのみを使用してください。承認済みのフィルターは、細菌およびウイルスへのフィルター効率に対して国際的に認められた基準に従って検証されています。
    • フィルターのフィルタリング効率は動作によって変化する点に注意してください。人工呼吸器の設定を定期的に確認し、製造業者の仕様に従ってフィルターを交換してください。
  • F&P製のフィルター(RT016、RT019)はF&P製の新生児用侵襲的換気回路と併用することを目的としていません。呼気/吸気フィルターと侵襲的換気回路の併用に関する詳細情報は、F&P Healthcare製フィルターのウイルスおよび細菌ろ過効率とF&P Evaqua™ 2回路をご参照ください。

加温加湿

深刻な呼吸器疾患を患っている重症のCOVID-19感染患者は、分泌物への対処と粘液の詰まりを補助するために高い湿度を必要とします16。加温加湿することによって効率的な換気とガス交換を促進し17、最適な粘膜線毛運動機能を保持します18

COVID-19感染患者を治療する医療従事者向けの加温加湿についての情報は、COVID-19感染患者を治療する医療従事者向けの加温加湿をご参照ください。

追加のF&P Healthcare製品リソース

仕様書、取扱説明書、使用方法動画など乳幼児用製品シリーズについての詳細は、弊社の乳幼児向け呼吸管理サポートページをご参照ください。 

F&P製の加温加湿器とフロージェネレータについての詳細は、以下をご参照ください。 

#セットアップ手順の詳細、警告、注意事項、禁忌については、取扱説明書をご参照ください。装置セットアップが適用外の場合、このセットアップが承認された装置のセットアップではないため、ユーザー自身の責任となりますことをご了承ください。